【名人戦4】藤井聡太 豊島将之 第4局 展望

5/18(土)19(日)と、名人戦 第4局が行われます。ここまで 3-0 の藤井聡太名人は、ここで勝つと名人を防衛し2連覇となります。
このまま5連覇すれば、十九世名人資格を持つ羽生九段についで、二十世名人資格を獲得します。

【名人戦4】藤井聡太 第4局 5/18(土) 9時~

豊島九段に12連勝中の藤井名人

両棋士の直近2年間の対戦 13局を見てみると、藤井名人の12連勝中です。豊島九段が最後に勝ってから2年近くたちました。

名人戦 第4局は、藤井名人が後手ですが、後手だけ見ても、藤井名人が4連勝中です。となると、第4局も藤井名人が勝って、防衛を決めそうな展開です。

12勝藤井名人  直近2年 13局  豊島九段1勝
先〇24.5 名人3 雁木 95手後●
後〇24.4 名人2 相掛かり 126手     先●
先〇24.4 名人1 横歩取り 141手     後●
先〇23.8 王座 挑決 角換わり拒否 159手  後●
先〇23.2 朝日 準決 角換わり腰掛銀 165手 後●
先〇23.1 順位 A7 角換わり腰掛銀 139手後●
先〇22.10 棋王 準々 角換わり腰掛銀 107手後●
後〇22.7 銀河 準決 角換わり腰掛銀 116手先●
後〇22.9 王位5 角換わり腰掛銀 128手先●
先〇22.8 王位4 角換わり腰掛銀 95手後●
後〇22.7 王位3 角換わり腰掛銀 84手先●
先〇22.7 王位2 角換わり腰掛銀 99手後●
後●22.6 王位1 角換わり腰掛銀 121手先〇

藤井名人を追い詰めた豊島九段

しかしながら、
 23年2月 朝日杯 準決勝
 23年8月 王座戦 挑戦者決定戦
 24年4月 名人戦 第1局
 24年4月 名人戦 第2局
この4局は、豊島九段がもう少しで勝つところまで迫りながら、藤井名人に逆転負けをした対局でした。

すなわち、直近の5局は、豊島九段の4勝1敗もありえた内容でした。

あと1歩で勝てない豊島九段

将棋は長い時間対局が続きます。
今回の名人戦の第1局・第2局は、2日目が朝9時に始まって、終局は夜の21時過ぎです。

この間、集中力を維持し続けることが重要です。

もし集中力が落ちる時間帯があって、そこで不用意な1手を指してしまうと、相手が藤井名人の場合、ほぼ負けます。

叡王戦では伊藤匠七段が 2-1 とタイトル奪取に王手をかけましたが、伊藤七段は全く集中力が落ちることなく、完璧に指し切りました。そうでないと、なかなか藤井名人には勝てません。

今回の名人戦の第1局・第2局では、藤井名人は苦戦しつつも、集中力が落ちることはありませんでした。

一方の豊島九段は、優勢に進めつつも、集中力が落ちる時間帯があったように思います。

先手で実質最後のチャンスの豊島九段

先週の第3局では、後手の豊島九段は、十分な準備なく望んで、早い時点で形勢悪化した感があります。

今週末の第4局は先手ですが、カド番でもあり、実質最後のチャンスになるかもしれません。2度目の先手なので、前々から準備していた十分な作戦があるように思います。

うまく行けば、第2局と同じように、藤井名人を追い詰めることができるでしょう。

しかし一番の課題は、最後まで集中力を持続できるかどうかでしょうか。

戦型は?

第4局の戦型は、先手の豊島九段の誘導で決まりそうです。
横歩取り・雁木・振り飛車は、豊島九段が後手で使いそうな戦型です。
先手の時は、ここ1年くらいは、相掛かり・矢倉が多いようです。

第2局が相掛かりだったので、第4局は矢倉かもしれません。
・初手▲76歩 ⇒ 矢倉
・初手▲26歩 ⇒ 相掛かり
と進むかもしれません。