ふわりと将棋

5/12(月) 竜王戦 5組決勝 山下数毅 高田明浩 10時~棋譜速報

竜王戦 5組 決勝、山下数毅三段(16)と高田明浩五段(22)の対局、AI形勢判断付き棋譜速報ライブです。

勝者は5組1位として決勝トーナメントに進出します。

山下三段は、準決勝で勝って4組昇級を決め、これで竜王戦は2回連続の昇級となりました。棋士(四段以上)の昇段規定を見ると、2回連続で昇級すると
・四段は五段に
・五段は六段に
・六段は七段に
即時昇段します。すなわち山下三段は即時四段に昇段しても良い成果を上げたのです。しかし山下三段はまだ昇段していません。今期三段リーグの終了時に次点が1個追加されるだけです(5勝以上すればとの条件付き)。すなわち、三段(奨励会員)を四段(棋士)にするにあたっては、ハードルが高いということです。

では、何故ハードルが高いのでしょうか。棋士になると、将棋連盟の役員の改選や予算の承認で1票を投じます。師匠になることもできます。将棋連盟の運営にかかわる責任が発生するのです。
それだけでなく、奨励会員は26歳の年齢制限があり、いずれ退会となりまが、棋士は、引退しても退会とはなりません。「引退棋士」という身分になり、公式戦には出ませんが、役員の改選や予算議決で1票を投じるのは現役棋士と同じです。引退棋士の昇段規定によって昇段もあります。更に他界しても「物故棋士」という身分で将棋連盟の一員でありつづけます。つまり棋士になると、一生棋士、死んでも棋士なのです。棋士でなくなるのは、不祥事を起こして退会手続きを行った場合などに限られます。これが三段から四段はハードルが高い理由なのでしょう。

山下三段は、昨年は6組決勝で藤本六段に敗れましたが、今年は5組2回戦でその藤本六段に勝つと、出口六段・山本五段と立て続けに優勝候補を破って決勝に進出しました。プロで勝てる実力を示しました。
しかし奨励会では、中学2年で三段まで上がるという活躍を見せましたが、三段リーグでは苦労して現在6期目です。
プロで勝てる人が、何故三段リーグでは苦労するのでしょうか。そこで棋士のタイプに注目して見ました。

・少考で変化球を指すタイプ
 三段リーグはスンナリ抜けるが、
 プロではそんなに勝てない
・長考で直球を指すタイプ
 三段リーグで苦労するが、
 プロではたくさん勝つ

こうなるのは、三段リーグは持ち時間が1時間半で若手ばかり。プロ棋戦は持ち時間が長く経験豊富なベテランが大勢いるからではないかと思っています。
後者の代表格が、藤井七冠や伊藤叡王です。伊藤叡王は21歳で藤井七冠から叡王位を奪取しましたが、三段リーグを抜けるのに5期かかっています。藤井七冠は三段リーグは一期抜けですが、その成績が問題です。13勝5敗(0.722)だったのです。プロ入り29連勝した人が、その直前の三段リーグでは13勝5敗なのです。プロでほぼ毎年8割以上勝つひとが、三段リーグでは0.722なのです。もしあと1敗して12勝6敗だったならリーグ6位で次点も取れませんでした。藤井七冠は、その飛び抜けた実力からしたら、三段リーグでは苦労したと言えるでしょう。

そして、山下三段も後者のタイプのような気がします。であれば、プロ入りしたならば沢山勝つのではないかと。
山下三段は、現在進行中の三段リーグで、ここまで2勝2敗。残り14局で3勝すれば2個目の次点が確定します。早ければ5月、遅くても6月には達成しそうです。そしてフリークラス四段の権利を行使すれば10/1から17歳でのプロ入りとなります。

もう一つ、本局で勝つと、奨励会員が本戦進出という前代未聞の事態となります。とても楽しみです。

#山下数毅 #高田明浩

今日の結果

決勝T 挑戦者決定三番勝負 2025
準決勝 準決勝
4R 4R 4R
3R 3R
2R
1R
1-1 勇気・八代 1-4 松尾・郷田・広瀬  1-5 森内・三浦 4-1 石田・狩山 5-1 山下・高田 6-1 古森・上野・谷合 1-3 木村・菅井 2-1 高見・羽生・永瀬 2-2 高見・羽生・永瀬 3-1 近藤・服部 1-2 勇気・八代

竜王戦 ランキング戦は、
・持ち時間:5時間 チェスクロック
      残り0:00から1分将棋
・開始:10時
・昼食休憩:12:00-12:40
・夕食休憩:18:00-18:40
・終局見込み:20時~22時辺り

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後手△ 先手▲


1手 % ▲

  ーー 対局 開始 ーー