5/26(日)27(月)と、名人戦 第5局が行われます。ここまで 3-1 の藤井聡太名人は、ここで勝つと名人を防衛し2連覇となります。
【名人戦5】藤井聡太 5/26(日) 9時~速報
2年ぶりに勝った豊島九段
豊島九段は5/18(土)19(日)の名人戦 第4局で、2年ぶりの藤井戦勝利をあげました。これは新しい戦い方での初めての勝利であり、2年前の王位戦の勝利とは違う方法です。
12勝 | 藤井名人 直近2年 14局 豊島九段 | 2勝 |
後● | 24.5 名人戦 第4局 横歩取り 95手 | 先〇 |
先〇 | 24.5 名人戦 第3局 雁木 95手 | 後● |
後〇 | 24.4 名人戦 第2局 相掛かり 126手 逆 | 先● |
先〇 | 24.4 名人戦 第1局 横歩取り 141手 逆 | 後● |
先〇 | 23.8 王座 挑決 角換わり拒否 159手 逆 | 後● |
先〇 | 23.2 朝日 準決 角換わり腰掛銀 165手 逆 | 後● |
先〇 | 23.1 順位 A7 角換わり腰掛銀 139手 | 後● |
先〇 | 22.10 棋王 準々 角換わり腰掛銀 107手 | 後● |
後〇 | 22.7 銀河 準決 角換わり腰掛銀 116手 | 先● |
後〇 | 22.9 王位5 角換わり腰掛銀 128手 | 先● |
先〇 | 22.8 王位4 角換わり腰掛銀 95手 | 後● |
後〇 | 22.7 王位3 角換わり腰掛銀 84手 | 先● |
先〇 | 22.7 王位2 角換わり腰掛銀 99手 | 後● |
後● | 22.6 王位1 角換わり腰掛銀 121手 | 先〇 |
2年前の豊島九段の勝利
2022.6.28の王位戦 第1局の豊島九段の勝利は、以前 藤井名人に対して何度も仕掛けられた戦い方です。AIの最善手手順を丸暗記(分岐もある程度丸暗記)して、藤井名人が間違えるのを待つ方法です。
豊島九段はこの方法で勝った後で、インタビューで「僕はこの方法はもういい」と答えたのち、2度と使わなくなりました。そして藤井戦 12連敗が始まったのでした。
この後も、広瀬九段が竜王戦七番勝負で、羽生九段が王将戦七番勝負で、この方法でそれぞれ2勝していますので、この方法自体が藤井名人に通用しなくなったのではありません。
しかし豊島九段はこの方法を使いませんでした。豊島九段の性格からして「暗記力で勝っても楽しくない」と思ったからかもしれません。
羽生九段や広瀬九段が記憶力作戦を用いたのは、将棋を支える立場から、七番勝負を4局で終わらせたのでは、将棋ファンや開催地に申し訳ない、という考えからだったように思います。
一方で豊島九段は、勝敗よりも自分が指したい将棋を指しているようですが、そこが他の棋士にはない、豊島九段の魅力になっているように思います。
大の負けず嫌いの藤井名人とは、一番違うところでしょうか。
豊島九段の新たな取り組み
豊島九段は藤井名人と、読みあい勝負がやりたかったのでしょう。記憶勝負ではなくて。
そこで新たに取り組んだのが、前例局が少ない力戦での戦いでした。藤井名人が経験が無さそうな難解な力戦の形に誘導して、読みあい勝負をやるというものです。豊島九段自身が、その形の事前研究をどれほどやったかは分かりません。いずれにしろ事前研究とピッタリ同じ局面にはならないと思いますので、当日の読む力が重要となります。
豊島九段がこの方法を本格的に使い始めたのが、2023.8.4の王座戦 挑戦者決定戦だったと思います。角換わりに誘った先手藤井名人に対し、後手豊島九段は角換わり拒否から力戦に持ち込みました。そしてこの対局は、2023年度の将棋大賞 名局賞に輝く大激戦となりました。
敗れたとはいえ、豊島九段にとっては大きな手応えだったのではないでしょうか。これこそが、自分がやりたかった将棋だと。
そしてこの方法を続け、名人戦 第4局で初勝利をあげたのでした。
名人戦 第5局の行方は?
名人戦 第5局は、藤井名人の先手です。直近の先手藤井名人の対局を見ると、
・23.8 王座戦 挑決:
△豊島 角換わり拒否 大激戦 〇藤井
・24.4 名人戦 第1局:
△豊島 横歩取りに誘導 大激戦 〇藤井
・24.5 名人戦 第3局:
△豊島 雁木に誘うも見せ場作れず 〇藤井
名人戦 第3局を見ると、豊島九段の後手作戦の在庫切れ感があるのが心配です。雁木を修正してくるでしょうか。それとも、いちかばちか振り飛車を指すでしょうか。
いずれにしろ、先手藤井名人の有利になるでしょう。しかしながら、第5局も大激戦となってくれることを、期待せずには、いられません。
名人戦 七番勝負 2024 | |||||
4 | 藤井聡太 名人 |
豊島将之 九段 |
1 | ||
第1局 4/10(水) 4/11(木) |
〇 | 横歩取り 封じ手 40手 141手 21時22分 |
● | 文京区 ホテル 椿山荘 |
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第2局 4/23(火) 4/24(水) |
〇 | 相掛かり 封じ手 39手 126手 21時19分 |
● | 成田市 成田山 新勝寺 |
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第3局 5/8(水) 5/9(木) |
〇 | 雁木 封じ手 45手 95手 17時43分 |
● | 大田区 羽田空港 第1 ターミナル |
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第4局 5/18(土) 5/19(日) |
● | 横歩取り 封じ手 39手 95手 20時49分 |
〇 | 別府市 割烹旅館 もみや |
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第5局 5/26(日) 5/27(月) |
〇 | 四間飛車 封じ手 47手 99手 19時49分 |
● | 紋別市 ホテル オホーツク パレス |
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第6局 6/11(火) 6/12(水) |
名古屋市 亀岳林 万松寺 |
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第7局 6/25(火) 6/26(水) |
再度、振り駒 |
天童市 天童 ホテル |
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先手 | 後手 |