藤井聡太【叡王戦】展望

 4/11(火)に叡王戦 第1局が行われます。七冠に向けて名人戦 挑戦中の藤井叡王、同時に叡王戦 防衛戦も戦わなければなりません。ここまで2連覇の藤井叡王、今回はどのような5番勝負になるでしょうか。

振り飛車党 菅井竜也八段

 進行中の名人戦も含めると、15回目の番勝負となる藤井叡王ですが、振り飛車党と対戦するのは、今回が初めてです。

 藤井叡王の2022年度の対戦 64局のうち、振り飛車を相手にした対局は、佐藤康光九段・菅井竜也八段・中村修九段・久保利明九段の4局だけでした。このうち3局は勝ちましたが、菅井八段のゴキゲン中飛車には敗れました。菅井八段とは通算で5勝3敗です。

 100% 居飛車の藤井叡王ですが、トップクラスの振り飛車党が少ない為、とにかく対抗型の対局が少ないというのが懸念点です。野球・テニス・卓球で言えば、滅多に当たらない左打ち選手相手に、力が発揮できるかどうか、といったところです。

 一方、菅井八段にすれば、対戦相手は大抵 居飛車、対抗型はお手の物です。この習熟度の差が、近年の振り飛車党の武器なのでしょう。

 それでも、番勝負で圧倒的に強い藤井叡王の優位は、動かしがたいでしょう。しかしながら、菅井八段がしっかりと準備すれば、波乱のある5番勝負になりそうです。

後半はタイトな日程

 前半は余裕がありますが、後半はタイトな日程となります。
 叡王戦 第4局と名人戦 第5局が中2日、名人戦 第6局と叡王戦 第5局も中2日です。
 移動と検分・前夜祭を考えると、実質 中1日です。
 5月からは、王座戦の挑戦者決定トーナメントもあります。

5/28
叡王4
29月30火31水
名人5
6/1
名人5
2金3土
4日5月6火7水8木9金10土
11日12月13火
名人6
14水
名人6
15木16金17土
叡王5

 ただ、とても強い藤井叡王なので、その前に終わらせているかもしれません。

七冠目指して

 現在、名人戦で七冠目指して挑戦中ですが、叡王戦での防衛が前提となります。2年前の叡王戦 挑戦では、豊島叡王相手にフルセットまで行きました。これがタイトル戦過去13期の中の、唯一のフルセットです。
 今年はどんな戦いとなるでしょうか。

達成時期達成年齢
12020/7棋聖渡辺3-1奪取一冠17歳11か月
22020/8王位木村4-0奪取二冠18歳1か月
32021/7棋聖渡辺3-02連覇二冠
42021/8王位豊島4-12連覇二冠
52021/9叡王豊島3-2奪取三冠19歳1か月
62021/11竜王豊島4-0奪取四冠19歳3か月
72022/2王将渡辺4-0奪取五冠19歳6か月
82022/5叡王出口3-02連覇五冠
92022/7棋聖永瀬3-13連覇五冠
102022/9王位豊島4-13連覇五冠
112022/12竜王広瀬4-22連覇五冠
122023/3王将羽生4-22連覇五冠
132023/3棋王渡辺3-1奪取六冠20歳8か月
142023/5叡王菅井六冠?
152023/6名人渡辺奪取?七冠?20歳11か月
162023/7棋聖七冠?
172023/8王位七冠?
182023/10王座永瀬奪取?八冠?21歳2か月