歴代勝率は、中原誠十六世名人が1967年度に記録した 0.8545 (47勝8敗)が歴代1位となっています。
しかし今年度は、藤井聡太八冠と藤本渚四段の二人が、この記録を更新しそうな勢いです。
残り1か月を切った現在、状況を確認しましょう。
現状 (3/1(金)時点での公表済み分)
暫定で、藤本四段が新たな歴代1位、藤井八冠が新たな歴代2位、中原十六世は歴代3位に下がる状況です。
棋士 | 勝率 | 勝敗 | 年度 | |
暫定 | 藤本 渚 | 0.8679 | 46-7 | 2023 |
暫定 | 藤井聡太 | 0.8600 | 43-7 | 2023 |
1 | 中原 誠 | 0.8545 | 47-8 | 1967 |
2 | 中村太地 | 0.8511 | 40-7 | 2011 |
3 | 藤井聡太 | 0.8490 | 45-8 | 2018 |
4 | 藤井聡太 | 0.8462 | 44-8 | 2020 |
5 | 羽生善治 | 0.8364 | 46-9 | 1995 |
藤井聡太八冠の今後
藤本四段を一旦除外して、藤井八冠の記録を想定してみます。
藤井八冠の年度内の公式戦は、NHK杯と棋王戦のみです。
NHK杯は、準決勝・決勝の最大2局、
棋王戦は、どちらかが3勝するまで続きます。
NHK杯 | 棋王戦 | 合計 | 勝率 | 歴代 | |
想定1 | 2-0 優勝 | 3-0 | 47-7 | 0.8704 | 1位 |
想定2 | 2-0 優勝 | 3-1 | 47-8 | 0.8545 | 1位 タイ |
想定3 | 1-1 準優勝 | 3-0 | 46-8 | 0.8519 | 2位 |
想定4 | 1-1 準優勝 | 3-1 | 46-9 | 0.8364 | 5位 タイ |
表のように、NHK杯で優勝できるかどうかで、歴代1位となるかどうかが決まります。
藤本渚四段の今後
藤本四段は、年度内にあと3局が確定していますが、更にありそうな対局が、あと6局あります。
3月 | 4月以降? | |
銀河戦 | 3/7 岡部怜央 (初) (勝敗公表日) | |
王位戦 | 3/8 佐々木大地 (初) ? 石井健太郎 (初) | 豊島将之 斎藤慎太郎 |
順位戦 | 3/12 山本博志 (初) | |
竜王戦 | ? 黒田尭之 (1-0) | |
王座戦 | ? 阿部隆 (初) | |
棋王戦 | ? 畠山鎮 (0-1) | |
王将戦 | ? 黒田尭之 (1-0) | |
新人王 | ? 清水航 (初) |
この中で勝つのが難しいのは、王位戦の佐々木大地七段でしょうか。
大地戦で1敗、それ以外すべて勝って、残り9局を 8-1 だったとすると、 0.8710 で断トツ歴代1位です。
仮に2敗しても、残り7勝すれば、0.8548 で歴代1位です。
今後 | 年度計 | 勝率 | |
8-1 | 54-8 | 0.8710 | 断トツ 歴代1位 |
7-2 | 53-9 | 0.8548 | 歴代1位 |
4-1 | 50-8 | 0.8621 | 歴代1位 |
3-1 | 49-8 | 0.8596 | 歴代1位 |
2-1 | 48-8 | 0.8571 | 歴代1位 |
但し、残り4週なので、対局数が少ない可能性があります。
それでも、確定している3局を 2-1 で乗り切れば、0.8571 で歴代1位です。