3/19(日) 9時から棋王戦 第4局が行われます。ここまでの結果と今後の展望を見てみましょう。
棋王戦 5番勝負 | |||||
1 | 渡辺明 棋王 | 藤井聡太 竜王 | 3 | ||
第1局 2/5(日) | ● | 角換わり 125手 | 〇 | 長野 ホテル 犀北館 | |
第2局 2/18(土) | ● | 角換わり 132手 | 〇 | 金沢市 北國新聞 会館 | |
第3局 3/5(日) | 〇 | 角換わり 174手 | ● | 新潟 グランド ホテル | |
第4局 3/19(日) | ● | 角換わり 132手 | 〇 | 日光きぬ川 スパホテル 三日月 | |
第5局 3/29(水) | 東京都 渋谷区 東郷神社 | ||||
先手 | 後手 |
第1局・第2局と藤井竜王が連勝、このまま六冠達成かと思われた第3局。後手の渡辺棋王は、藤井竜王の無敵の先手角換わりに挑みます。先手玉頭を攻める渡辺棋王は、先手玉のおびき出しに成功します。この形が不慣れで読めなかったのか、角換わりマスターの藤井竜王が、稀な緩手を指し、渡辺棋王はリードを掴みます。
渡辺棋王はリードを広げ勝勢まで行きますが、難解局面のまま、お互い1分将棋に突入。勝利近く迫った渡辺棋王の緩手で一転、藤井竜王の勝勢から勝利まであと13手と迫ります。しかし藤井竜王もまさかの緩手、再び渡辺棋王の勝勢に。このチャンスから冷静に寄せ切った渡辺棋王が勝ちました。
タイトル戦番勝負では、藤井竜王戦を10連敗で止めて、通算2勝目をあげました。この2勝ともに、藤井竜王の先手角換わりです。
藤井竜王は、1手2手の間違いではなく、そもそも読めずに苦労したという点が、敗戦の根底にあるかと思います。衝撃的な結果でしたが、角換わりマスター藤井竜王の無敵の先手角換わりにも、死角はあったということです。
形からすると、どうも藤井竜王は、見慣れない玉形になると、読みあぐねる傾向があるように思います。
さて、渡辺棋王の先手となる第4局、再び角換わりに誘ってくるように思います。藤井竜王が読めない形に誘導できる確率は小さく、また運よく誘導できても、自分も読めずに先に間違えるリスクも大きいでしょう。それでも渡辺棋王は賭けてくるように思います。
ところで藤井竜王は、昨年11月にJT杯で初優勝してから、12月の銀河戦、2月の朝日杯と優勝し、3/19(日)のNHK杯決勝で勝つと、過去に例がない一般4棋戦全制覇となります。
八大タイトル戦でも今年は八冠のチャンスがあります。9月10月の王座戦 5番勝負まで勝ち続けると、八大タイトル戦+一般棋戦の将棋界完全制覇となります。勿論、前代未聞・空前絶後です。
誰か、止める人はいるのでしょうか。或いは、いつ現れるのでしょうか。
1 | 2020/7 | 棋聖 | 渡辺 | 3-1 | 奪取 | 一冠 | 17歳11か月 |
2 | 2020/8 | 王位 | 木村 | 4-0 | 奪取 | 二冠 | 18歳1か月 |
3 | 2021/7 | 棋聖 | 渡辺 | 3-0 | 2連覇 | 二冠 | |
4 | 2021/8 | 王位 | 豊島 | 4-1 | 2連覇 | 二冠 | |
5 | 2021/9 | 叡王 | 豊島 | 3-2 | 奪取 | 三冠 | 19歳1か月 |
6 | 2021/11 | 竜王 | 豊島 | 4-0 | 奪取 | 四冠 | 19歳3か月 |
7 | 2022/2 | 王将 | 渡辺 | 4-0 | 奪取 | 五冠 | 19歳6か月 |
8 | 2022/5 | 叡王 | 出口 | 3-0 | 2連覇 | 五冠 | |
9 | 2022/7 | 棋聖 | 永瀬 | 3-1 | 3連覇 | 五冠 | |
10 | 2022/9 | 王位 | 豊島 | 4-1 | 3連覇 | 五冠 | |
11 | 2022/12 | 竜王 | 広瀬 | 4-2 | 2連覇 | 五冠 | |
12 | 2023/3 | 王将 | 羽生 | 4-2 | 2連覇 | 五冠 | |
13 | 2023/3 | 棋王 | 渡辺 | ? | 奪取? | 六冠? | 20歳7か月 |
14 | 2023/5 | 叡王 | ? | ? | 六冠? | ||
15 | 2023/6 | 名人 | 渡辺 | ? | 奪取? | 七冠? | 20歳11か月 |
16 | 2023/7 | 棋聖 | ? | ? | 七冠? | ||
17 | 2023/8 | 王位 | ? | ? | 七冠? | ||
18 | 2023/10 | 王座 | 永瀬 | ? | 奪取? | 八冠? | 21歳2か月 |