3/11(土)から王将戦 第6局が行われます。ここまでの結果と今後の展望を見てみましょう。
王将戦 七番勝負 | |||||
4 | 藤井聡太 王将 | 羽生善治 九段 | 2 | ||
第1局 1/8(日) 1/9(月) | 〇 | 一手損角換わり 91手 | ● | 掛川市 掛川城 二の丸茶室 | |
第2局 1/21(土) 1/22(日) | ● | 相掛かり 101手 | 〇 | 大阪府 高槻市 山水館 | |
第3局 1/28(土) 1/29(日) | 〇 | 雁木 95手 | ● | 金沢市 金沢東急 ホテル | |
第4局 2/9(木) 2/10(金) | ● | 角換わり 107手 | 〇 | 立川市 SORANO HOTEL | |
第5局 2/25(土) 2/26(日) | 〇 | 横歩取り 101手 | ● | 島根県 大田市 さんべ荘 | |
第6局 3/11(土) 3/12(日) | 〇 | 角換わり 88手 | ● | 佐賀県 上峰町 大幸園 | |
第7局 3/25(土) 3/26(日) | 栃木県 大田原市 ホテル花月 | ||||
先手 | 後手 |
ここまでの5局は全て先手の勝ちでした。羽生九段は先手となる第2局・第4局を取りに行って成功。第5局は後手ながら、得意の横歩取りで勝負をかけました。が、跳び抜けて強い先手 藤井王将の壁は厚かったようです。
羽生九段の 作戦 | 最近の 羽生九段 | 藤井王将 | |
第1局 | 一手損 角換わり | あまり 指さない | 先手で 解読して勝ち |
第2局 | 相掛かり 59手82金打 | よく指す | 後手で 解読できず負け |
第3局 | 陽動振り飛車 模様から雁木 | あまり 指さない | 先手で 解読して勝ち |
第4局 | 角換わり片矢倉風 中央攻撃 | よく指す | 後手で 解読できず負け |
第5局 | 横歩取り | よく指す | 先手で 解読して勝ち |
第6局 | 相掛かり? 角換わり? | よく指す | 後手で ??? |
さて再び羽生九段の先手となる第6局、羽生九段が最近多く指す戦型で考えると、相掛かりか角換わりの可能性が高いように思います。但し、羽生九段は第2局・第4局以外の作戦を準備しなければなりません。羽生九段は3/9(木)に順位戦がありますが、既に残留を決めていますので、3/3(金)の竜王戦の後の5日間を作戦立案にあてることは可能なのでしょう。
3/3(金) | 羽生九段 竜王戦 久保利明九段 | 東京 |
3/8(水) | 藤井王将 順位戦 広瀬章人八段 | 東京 |
3/9(木) | 羽生九段 順位戦 中村太地七段 | 東京 |
3/10(金) | 王将戦 検分 前夜祭 | 佐賀 |
3/11(土) | 王将戦 第6局 1日目 | 佐賀 |
ここまで藤井王将が 3-2 で防衛に王手をかけています。カド番の羽生九段は勝たなければいけない第6局ですが、もし勝つと、タイトル戦で藤井王将から初めて3勝した人になります。
羽生九段が勝った2局を見ると、1日目は覚えた通りに指しているだけで、ほとんど読まない・体力を使っていないように見えます。2日目、藤井王将が形勢悪化と引き換えに作戦を外した時点で、初めて羽生九段は本気で読み始めているように見えます。この作戦がうまく行っている限り、32歳の年齢差からくる体力差はハンデにならないのでしょう。
しかしここ1か月ほどの藤井王将の将棋を見ると、この2局の敗戦に鑑みてか、早めに作戦外しの勝負をかけているように見えます。この早め勝負が成功すると、羽生九段も早めに体力を使って読まなければいけません。
羽生九段の作戦が3回目の成功をあげるか、藤井王将の早め勝負が成功するか、第6局の期待が高まります。