2/25(土)から王将戦 7番勝負 第5局が開催されます。ここまでの結果と今後の展望を見てみましょう。
ここまでの4局は全て先手の勝ちでした。第1局は、後手の羽生九段が一手損角換わりを仕掛けるも、先手の藤井王将が解読して勝ちました。第2局は、先手の羽生九段が相掛かりから59手82金打の作戦に誘導、後手の藤井王将は解読できずに敗れました。第3局は、後手の羽生九段が陽動振り飛車模様から雁木を仕掛けますが、先手の藤井王将が解読して勝ちました。第4局は、先手の羽生九段が角換わりから片矢倉風の囲いで中央攻撃、後手の藤井王将は解読できずに敗れました。
即ち、4局とも羽生九段が作戦を仕掛け、先手の藤井王将は解読して勝ち、後手の藤井王将は解読できずに敗れた、という流れです。
羽生九段の 作戦 | 最近の 羽生九段 | 藤井王将 | |
第1局 | 一手損 角換わり | あまり 指さない | 先手で 解読して勝ち |
第2局 | 相掛かり 59手82金打 | よく指す | 後手で 解読できず負け |
第3局 | 陽動振り飛車 模様から雁木 | あまり 指さない | 先手で 解読して勝ち |
第4局 | 角換わり片矢倉風 中央攻撃 | よく指す | 後手で 解読できず負け |
第5局 | 横歩取り ??? | よく指す | 先手で ??? |
さて、第5局は藤井王将の先手なので、藤井王将が解読して勝つ順番です。しかし、別の視点もあります。それは、最近の羽生九段がよく指す戦型かどうか。
将棋は先手が有利なので、後手は工夫が必要、そこで後手番の羽生九段は、あまり指さない戦型で意表を突いたのかもしれません。しかし多くの変化を覚えている訳ではないので、藤井王将の作戦外しにうまく対応できずに敗れたのかもしれません。
一方、先手番の羽生九段はよく指す戦型を採用、藤井王将が作戦外しをかけてきても、多くの変化を覚えている羽生九段は、うまく対応して勝ちました。
最近の羽生九段は後手番で横歩取りをよく指すのですが、ここまで使っていません。横歩取りなら、藤井王将が作戦外しをかけてきても、うまく対応できる可能性がありそうです。第5局 後手の羽生九段は、ここまで温存してきた横歩取りで勝負をかけてくるでしょうか。
しかし先手の藤井王将も、それは十分承知、しっかり予習してくるでしょう。藤井王将の予習が上回るか、羽生九段の練り上げた作戦が上回るか、第5局は大きなヤマ場となるかもしれません。
補足:角換わり・相掛かりは、先手が誘って、後手が同意するかどうかです。
一手損角換わり・横歩取りは、後手が誘って、先手が同意するかどうかです。
陽動振り飛車/雁木は、先後あまり関係ないかもしれませんが、工夫が必要な後手が仕掛けるケースが多いように思います。
2/23(木) | 藤井王将 朝日杯 準決勝 豊島九段 | 東京 |
2/24(金) | 王将戦 検分 前夜祭 | 島根 |
2/25(土) | 王将戦 第5局 1日目 | 島根 |
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3/9(木) | 羽生九段 順位戦 中村太地七段 | 東京 |
3/10(金) | 王将戦 検分 前夜祭 | 佐賀 |
3/11(土) | 王将戦 第6局 1日目 | 佐賀 |
ところで、日程ですが、第5局は藤井王将が、ちょっと大変そうです。第6局は羽生九段が、かなり大変そうです。羽生九段、残留決定済みで良かった。
王将戦 七番勝負 | |||||
4 | 藤井聡太 王将 | 羽生善治 九段 | 2 | ||
第1局 1/8(日) 1/9(月) | 〇 | 一手損角換わり 91手 | ● | 掛川市 掛川城 二の丸茶室 | |
第2局 1/21(土) 1/22(日) | ● | 相掛かり 101手 | 〇 | 大阪府 高槻市 山水館 | |
第3局 1/28(土) 1/29(日) | 〇 | 雁木 95手 | ● | 金沢市 金沢東急 ホテル | |
第4局 2/9(木) 2/10(金) | ● | 角換わり 107手 | 〇 | 立川市 SORANO HOTEL | |
第5局 2/25(土) 2/26(日) | 〇 | 横歩取り 101手 | ● | 島根県 大田市 さんべ荘 | |
第6局 3/11(土) 3/12(日) | 〇 | 角換わり 88手 | ● | 佐賀県 上峰町 大幸園 | |
第7局 3/25(土) 3/26(日) | 栃木県 大田原市 ホテル花月 | ||||
先手 | 後手 |